最近、
「AIが仕事を奪う。」
そんな話をよく耳にします。
鍼灸師も例外ではありません。
AIが問診をする。
AIがカルテを書く。
AIが論文を探してくれる。
AIがブログまで書いてくれる。
そんな時代になってきました。
では、AIがあれば鍼灸師はいらなくなるのでしょうか。
ぼくは、そうは思っていません。
AIが得意なこと
実際にぼくも、毎日のようにAIを使っています。
ブログを書いたり。
論文を整理したり。
患者さんへの説明を考えたり。
昔なら何時間もかかっていた作業が、
驚くほど短時間でできるようになりました。
だから、
AIは本当にすごい道具だと思っています。
でも、AIにはできないことがあります
AIはとても多くの知識を整理し、提供してくれます。
でも、
患者さんが治療ベッドに横になった瞬間の空気。
少し声が元気になったこと。
歩き方が少し変わったこと。
「今日は何となく違う。」
そんな小さな変化を感じ取ることはできません。
触れたときの皮膚の温度。
筋肉の張り。
呼吸の変化。
患者さんが言葉にできない違和感。
そこには、まだ人にしかできないことがあります。
患者さんの話を聞く。
身体に触れる。
考える。
そんな時間を、もっと大切にできるようになりました。
AIは、私たちから仕事を奪ったわけではありません。
むしろ、
本来やるべき仕事へ集中させてくれるツール。
そんな感覚があります。
真のツールとは何か
この4回のシリーズで、
マウスの話を書きました。
睡眠リングの話を書きました。
エコーの話を書きました。
そして、AIの話を書きました。
どれも、とても便利な道具です。
でも、共通していることがあります。
どの道具も、
人の代わりにはなれないということです。
マウスは、考えることの代わりはできません。
睡眠リングは、身体そのものにはなれません。
エコーは、患者さんを理解することはできません。
AIも、治療家にはなれません。
でも、
人が本当にやるべきことへ戻してくれる。
そのための助けにはなれる。
ぼくは、それが「真のツール」なのだと思っています。
便利になることが目的ではありません。
人が、人らしくあるために。
患者さんが、自分の身体と向き合えるために。
治療家が、患者さんと向き合えるために。
そんな時間を生み出してくれる道具こそ、
本当の意味で良いツールなのではないでしょうか。
このシリーズを書きながら、あらためてそんなことを考えました。

