前回は、患者さんの身体の変化を、指輪の数字が教えてくれた話を書きました。
「真のツールとは何か?② 指輪の数字に一喜一憂しないために」
数字は便利です。
でも、数字が身体そのものではありません。
じゃあ、画像なら間違いないのでしょうか。
今回は、はり治療院ここから本庄院で毎日のように使っているエコーの話です。
患者さんから、
「エコーがあると安心ですね」
と言っていただくことがあります。
これは、よく分かります。
見えなかった身体の中が見える。
それだけでも、ちょっと安心しますよね。
そして、ときどき、こう聞かれます。
「エコーがあると、よく治るんですよね?」
うーん。
「安心」と「よく治る」は、ちょっと別の話なんです。
エコーは、治す機械ではありません
エコーでは、筋肉や腱、神経、血管などの位置を確認できます。
鍼がどこへ届いているかを見る助けにもなります。
これは、安全に鍼をするためにも、どこを見ているのか考えるためにも、とても助かります。
ただし、エコーそのものが身体を治してくれるわけではありません。
画面からビームが出て、悪いところを直してくれるわけでもありません(笑)
エコーは、治す機械というより、考える材料を増やしてくれる機械です。
見えると「これだ!」と思いやすい
画像で変化が見えていても、まったく痛みを感じていない方がいます。
反対に、画像では大きな変化が見つからなくても、強い痛みに困っている方もいます。
「ここが白いから痛い」
「画像に異常がないから大丈夫」
それだけで全部決まるなら、私もかなり楽なんですが(笑)
でも実際は、そうではありません。
実際は、神経の働きや動き方、その日の体調なども関係します。
画像だけでは分からないことが、けっこうあります。
見えたものは大事です。でも、それだけで全部分かったことにはなりません。

本当に見たいのは、画面の向こう側
私がエコーを使うときは、画像だけを見ているわけではありません。
触れたときに感じたこと。
身体を動かして分かったこと。
患者さんが話してくださったこと。
そして、エコーで確認できたこと。
それを並べて、「さて、どういうことだろう」と考えます。
エコーは便利ですが、主役ではありません。
ずっと画面ばかり見て、目の前の患者さんを見なくなったら、それはちょっと違いますよね。
便利な道具が増えると、「じゃあ人は何を見るの?」という話が出てきます。
次はいよいよAIです。
ブログまで書いてくれるAIは、鍼灸師の仕事も奪ってしまうのか。
それとも、もっと治療家らしくしてくれるのか。

