私はヨガを23年間続けています。
14年前、師からこんな言葉を教えていただきました。
「On the mat, Off the mat.」
「ヨガの練習はマットの上だけではない。マットの上には、あなたの日常がそのまま表れる。」
当時の私は、この言葉の本当の意味がよくわかりませんでした。
けれど、長年ヨガを続け、指導する立場になった今、その意味を少しずつ実感しています。
自分自身の練習を振り返ると、苦手なポーズやつらい練習を無意識に避けようとしていることがあります。
そして、その姿は日常生活にもそのまま表れていました。
面倒なことを後回しにしたり、苦手なことから目を背けたり…。
マットの上での自分と、日常の自分は驚くほどよく似ています。
指導をしていても、それぞれの「その人らしさ」がマットの上に現れます。
頑張りすぎて力が抜けない人。
途中で諦めてしまう人。
周りばかり気になってしまう人。
呼吸が浅くなる人、止まってしまう人。
ポーズがきつくなると目を閉じてしまう人。
どれも良い・悪いではありません。
その人が普段どんな思考や行動のクセを持っているのかを、ヨガは静かに映し出してくれるのです。
これは鍼灸の施術でも同じです。
身体の使い方や筋肉の緊張、呼吸の状態を見ていると、その人がどんな毎日を過ごしているのかが少しずつ見えてきます。
だからこそ大切なのは、Off the Mat。
マットを降りたあとの時間です。
日常生活の中で、自分の身体や呼吸、思考にどれだけ丁寧に意識を向けられるか。
身体の使い方。
呼吸。
思考のクセ。
食事。
物事の捉え方。
そのすべてが、今の自分をつくっています。
ヨガは、ポーズが上手になることが目的ではありません。
日常をより丁寧に生きるための練習です。
だから私は今日も、マットの上で自分を見つめ、マットを降りた日常でも、その学びを少しずつ実践していきたいと思っています。
人生そのものが、私にとってのヨガなのです。

