「食べていないのに太る気がする」
「昔より代謝が落ちた」
「生理前になると食欲が止まらない」
こうした悩みは、意思の問題ではなく、体の仕組みによるものです。
体の中で何が起きているかを知っておくと、無理なく続けられるケアが見えてきます。
🧠 レプチンとグレリン。食欲を決める2つのホルモン
レプチンは脂肪細胞から出るホルモンで、「もうお腹いっぱい」と脳に伝えます。
反対に、グレリンは胃から出て、「そろそろ何か食べたい」と知らせるホルモンです。
寝不足、ストレス、血糖値の乱高下が続くとレプチンが効きにくくなり、
グレリンが優位になります。
夜にお菓子を開けたくなる状態はこの影響が大きいです。
そして、生理前に食欲が強まることはないでしょうか?それは自然なこと。
生理前はプロゲステロンの影響で、レプチンの働きが弱まります。
そのため、普段より食べたくなるのはとても自然な反応です。
「また食べ過ぎた…」と責める必要はなく、
むしろそういう時期なのだと理解しておくと気持ちが楽になります。

🍎 腸内細菌のバランスが太りやすさを左右する
腸には100兆個以上の細菌が住んでいます。
その中でも、体質に関係している代表的なグループがあります。
- 痩せやすい人に多い菌
- バクテロイデス門、アッカーマンシアなど
- 腸の壁を守ったり、糖の処理を助けたりする働きがあります。
- 太りやすい人に多い菌
- ファーミキューテス門
- エネルギーを吸収する能力が高いため、同じ食事量でも太りやすい傾向があります。(例えるなら、少ない燃料でもしっかり“取り込んでしまう”タイプです)
こうした菌のバランスは普段の食事で変えられます。
オーツ麦、発酵食品、野菜・果物のポリフェノールは腸にとって良い働きをしてくれます。
💪 インスリン抵抗性があると内臓脂肪がつきやすい
インスリンは血糖を下げるホルモンですが、効きにくくなると
糖が脂肪に変わりやすくなり、太りやすい状態になります。
日本人はもともとインスリン分泌が強くない体質で、
欧米人よりも代謝の影響を受けやすいと言われています。
だからこそ、和食中心や食物繊維を多めにする習慣が体に合っています。

🔥 脂肪には「燃える脂肪」と「ためる脂肪」がある
脂肪=全部同じ、ではありません。
- 白色脂肪細胞…余ったエネルギーをためる
- 褐色脂肪細胞…脂肪を燃やして熱を作る
- ベージュ脂肪細胞…状況に応じて熱を作り、褐色に近い働きをする
軽い寒さ、運動、辛み成分、ファスティングなどの刺激で
白色脂肪がベージュ脂肪に変わることが知られています。
冬に体が引き締まりやすいのはこの影響です。
🌞 代謝の中心「甲状腺ホルモン」
甲状腺ホルモンは、全身の細胞に「代謝を動かして」と合図を出す役割です。
不足すると、疲れやすい、冷え、便秘、むくみ、体重増加などが出ます。
特に女性は鉄不足やストレスの影響を受けやすいため、
栄養と心のケアの両方が大切です。
🧘♀️ 無理なく痩せるために整えておきたい3つ
からだを整える
睡眠、軽い運動、発酵食品、食物繊維、オメガ3を習慣にしやすい形で
こころを整える
ストレスを食でごまかさない仕組みをつくり、自分を満たす時間をつくる
リズムを整える
朝日を浴びる、夜は早めに休む。体内時計が整うと代謝も安定しやすくなります。
「痩せる」は、整った結果として自然におこります。
ホルモン・腸・心のバランスが整うと、体は無理なく軽くなります。
がんばり続けるよりも、仕組みを知って日々を整えることが一番の近道です。
今日できるところから少しずつ続ければ、体質は必ず変わっていきます。

