コレステロールは悪者じゃない?コレステロールの誤解と真実

コレステロール=悪ではない!?

コレステロールと聞くと「悪いもの」「動脈硬化の原因」といったイメージを持つ方が多いと思います。
実は、その“常識”は近年の研究で大きく見直されてきています👇

コレステロールは“命をつくる材料”
=ホルモン、免疫、脳の働き、細胞膜を支える「土台」!

3つの脂質とそれぞれの役割

脂質主な役割
トリアシルグリセロール(中性脂肪)エネルギー源
リン脂質細胞膜の構成要素
コレステロールホルモンやビタミンD、細胞膜の材料

つまり、コレステロールは体をつくる資材のような存在
材料が足りなければ、修復も再生もできなくなってしまいます。

HDLとLDLの正体は「コレステロールの運び屋」

  • LDL(悪玉):全身の細胞にコレステロールを“配達”する配送車。
  • HDL(善玉):使い終わったコレステロールを“回収”して肝臓へ戻す回収車。

両方とも必要不可欠。
「悪玉」だけを下げすぎると、ホルモンが作れなくなるんです。

コレステロールがないと作れないもの

  • エストロゲン、テストステロン、コルチゾールなどのホルモン
  • 細胞膜(肌・血管・神経)
  • ビタミンD(免疫力に関与)
  • 胆汁酸(脂肪の消化に必要)
  • CoQ10(エネルギー産生)

つまり、美肌も代謝もメンタルも、全部コレステロール次第!

昔は「卵=悪者」と言われていましたが、今はその考えは撤廃されています🥚
なぜかというと、体内のコレステロールは約80%が肝臓で作られるから。
食事から入るのは20%ほどで、卵を食べると数値が上がるとは限りません。

さらに、脳の約25%はコレステロールでできています🧠
特に神経を守るミエリン鞘に多く存在しており、これが不足すると、

  • 神経の伝達が遅くなる
  • 集中力や記憶力が落ちる
  • うつ傾向
  • 認知症リスクの上昇

につながることがあります。

コレステロールが高い理由は炎症と代謝

動脈硬化の原因は「コレステロールそのもの」ではなく、
高血糖・酸化ストレス・炎症による血管ダメージ。

コレステロールはむしろ、修復のために集まってくる救急チームです🚑

コレステロールを整える3つのポイント

① 胆汁酸の流れをよくする(デトックス)

胆汁はLDLコレステロールを原料とする唯一の排泄ルート
流れが悪いとコレステロールが滞留します。

➡︎ 対策:

  • 舞茸などの水溶性食物繊維
  • タウリン(ホタテ・イカ・タコ)
  • 腸もみ・深呼吸で副交感神経を活性化
  • 夜11時〜1時の睡眠で胆汁分泌を促進

② HDLを増やすには「運動」!

研究では、有酸素運動こそがHDLを上げる最も効果的な方法。
ウォーキング・ヨガ・呼吸法もおすすめです。

③ ビタミンB群・E・ナイアシンで代謝をサポート

  • ビタミンB群:ホモシステイン(動脈硬化物質)を分解
  • ビタミンE:LDLの酸化を防ぐ(抗酸化)
  • ナイアシン(B3):LDL↓、HDL↑、中性脂肪↓の万能栄養素

甲状腺・ストレス・睡眠も深く関係!

甲状腺ホルモンが低下すると、コレステロール代謝が滞ります。
また、ストレスや寝不足はsd-LDL(超悪玉)を増やす原因にもなります。

心身のバランスが、血液データにそのまま現れるのです。

コレステロールは悪者ではなく、修復のヒーローともいえます。

当院でもヨガを定期的に開催してますので、HDLを増やす一環としてぜひご参加ください!