仕事が立て込んだり、寝不足が続いたり。
そんなときに久しぶりに測った血圧が「いつもより高い」と言われて、ドキッとしたことはありませんか?
普段は正常なのに、病院で測ると上がる・・・そんな経験を持つ方も多いと思います。
血圧は、体調・ストレス・気温・食事などに敏感に反応する心と体のバロメーターなんです。
実は、ただの“数字”ではなく、あなたの身体全体のコンディションを映す鏡なのです。
今日は薬に頼りすぎず、自分の体を整える力で血圧バランスを保つための3つの視点をお話しします。
🫀血圧とは?
血圧は、血液が血管の壁を押す力のこと。
心臓がギュッと縮んで血液を送り出すときの「収縮期血圧(上の数値)」と、
休んでいるときの「拡張期血圧(下の数値)」に分かれます。
一般的な理想値は120/80mmHg未満、家庭血圧では115/75mmHg未満が目安。
140/90mmHg以上で「高血圧」と診断されますが、年齢や体質、ストレスなどによって個人差があります。
血圧に影響する要素は、実はひとつではありません。
心臓のポンプ力、血管の柔軟性、血液量、血液の粘り気、
そして血管そのものの弾力――この5つが複雑に関わり合っています。
🌿ミネラルバランスが血管の「しなやかさ」をつくる
血管は筋肉のように、縮んだり緩んだりを繰り返しています。
この働きを支えるのが、カルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)のバランスです。
カルシウムは血管を「ギュッ」と引き締め、
マグネシウムは血管を「ふわっ」と緩めます。
どちらかに偏ると、血管が硬くなったり、収縮しっぱなしになったり。
食事やストレスによるマグネシウム不足が続くと、
血管がリラックスできず、血圧が上がりやすくなると考えられています。
おすすめは、野菜からミネラルを取ることと、
塩化ナトリウム90%~95%天日海塩を使うこと。
塩分をただ「減らす」よりも、「質」を意識するほうが、
体内のミネラルバランスが整いやすくなります。
ちなみに、減塩で効果が出るのは高血圧の一部(塩分感受性が高い人)に限られ、
すべての人に当てはまるわけではありません。
つまり「塩を敵にしすぎないこと」も、血圧ケアのポイントなのです。
💨血管をしなやかにする“一酸化窒素(NO)”
血管を柔らかく保つために欠かせないのが、一酸化窒素(NO)。
体内で作られる天然のアンチエイジング物質で、
血流を良くし、動脈硬化を防いでくれます。
NOを増やすには👇
- 週3回×20分の有酸素運動
- ビーツ・ルッコラ・ブロッコリー・ほうれん草などの野菜
- アルギニン・シトルリン(アミノ酸)を含む食品
ビーツは血流改善・抗酸化・肝機能サポートなどにも効果的です。
⚖️ストレスと自律神経の乱れも血圧に影響
「測るたびに血圧が違う」という方は、自律神経の影響が大きいかもしれません。
ストレスや緊張が強いと、交感神経(体を“戦闘モード”にする神経)が優位になり、
血管が収縮して血圧が上がります。
鍼灸治療では、この自律神経のバランスを整えることで、
血管の緊張をゆるめ、心身をリラックス状態に導くサポートを行います。
また、ストレスが続くと副腎や甲状腺の働きにも影響し、
疲労感や冷え、立ちくらみなどの「低血圧タイプ」の不調が出ることもあります。
定期的な血液検査(TSH・FT3・FT4など)でホルモンの状態を把握しておくのも大切です。
薬だけに頼らないという選択
降圧剤は必要な場合に大切な役割を果たしますが、
一方で、血圧を下げすぎると立ちくらみや脳血流の低下を起こすこともあります。
特に高齢者では、少し高めの血圧のほうが生活の自立度が高いという報告もあります。
「薬をやめる」ことではなく、
「薬に頼りきらず、自分の力で血圧を安定させる体をつくる」こと。
そのために、
- 血流を整える(運動・鍼灸)
- ミネラルを整える(食事)
- 自律神経を整える(睡眠・ストレスケア)
この3つの視点が欠かせません。
血圧はただの数値ではなく、
血管・ホルモン・ミネラル・自律神経の「調和」の結果です。
薬で一時的に抑えるよりも、
身体そのものが自らバランスを取れる状態をつくること。
それが、はり治療院ここからが考える「血圧の養生」です。
今日の血圧の数値に一喜一憂するよりも、
あなたの体がどんなメッセージを送っているのか、
少し耳を傾けてみてください。

