MAZDAのデザイン哲学と治療の共通点

忘れていたMAZDA車を選んだ理由

先日、患者さんから「先生の車、MAZDAなんですか?」と聞かれました。

その患者さんはMAZDAのエンジンがお好きなようだったのですが、

僕はその時真っ先に「コスパが良いんですよね〜」と答えていました。

数日たってから、ふとその時の話を思い出して、

「あれ、そんな理由じゃなかったよな」

なぜ自分がMAZDAを選んだのかを忘れていたことに

少しビックリしました。

当時、初めての新車購入でした。

色々と車を見ているときに

MAZDA車がある本で紹介されていて、

その思想に感動・共感したからでした。

開業を控えていた頃、

自分がどんな治療院をつくりたいか、

どんな価値を届けたいか

そんなことを考えている最中、

過去のブログでも紹介している本、山口周さんの

「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか」

を読みました。

この本でMAZDAの哲学に触れて、

ビビッと来てしまい家族に相談して決めました。

正直、それまでMAZDAには

見向きもしていなかったのですが(笑)

MAZDAのデザイン哲学

本の中で紹介されていたMAZDAのデザイン哲学と、

カーデザイナー前田育男氏の取り組みが強く印象に残りました。

MAZDAは、世界のトップブランドと伍するために、

日本の伝統的な美意識を

「動・凛・艶」

という三つの言葉にまとめ、

「魂動(SOUL OF MOTION)」

というコンセプトを掲げました。

このコンセプトがおもしろいのは、

「こう作りなさい」とデザイナーに細かい指示をするものではなく、

価値観(コンセプト)だけを共有し、

あとの表現はデザイナーそれぞれに委ねている点です。

方向性となる価値観を共有し、

あとは各々が現場で創造していく

というスタイルも自由で素敵だなと感じます。

“好まれよう”ではなく“魅了しよう”

多くの企業はアンケートや市場調査を重ね、

顧客のニーズを満たす形で商品をつくります。

しかし、MAZDAは顧客に好まれるデザインではなく

顧客を魅了するデザインを目指しているのです。

従来型マーケティングの

「課題を調査し、最適解を提示する」

とは異なり、

MAZDAのゴールは

感動の提供

に置かれています。

この姿勢に、私は共感を覚えました。

治療✕感動

私が日々向き合っているのは

痛みや不調に困っている方たちです。

もちろん、症状の改善を届けることは

とても大切です。

ただ、そこだけにとどまるのは

少しもったいないと感じています。

痛みが軽くなることで

やってみたいことに挑戦できる

人と会える

外に出てみようと思える

そうした

可能性が開く瞬間には

必ず感情の動きがあります。

その小さな高揚こそ、

治療の価値を深めてくれると思っています。

MAZDAが目指す

感動を届けるという姿勢は、

自分が鍼灸で大切にしたいものと繋がりました。

Car as Art → Acupuncture as Art

MAZDAは「Car as Art」という考え方を掲げています。

車を移動のための道具ではなく

人の感情を動かす存在」として捉える姿勢です。

私もそれをパクりまして(笑)、

Acupuncture as Art

というゴールをもち、

施術で感動を提供したいと想います。

MAZDAを選んだ理由を忘れていたことは

少しショックでしたが(-_-;)

ただ、久しぶりにそれを思い出したことで

自分が大切にしている軸を

再確認する良い機会になりました。

なぜこれを選んだのか?

なぜこの道を進んでいるのか?

それを丁寧に思い返すことは

生き方を整える作業だと感じています。

治療でも同じです。

症状だけを見るのではなく、

その人の背景や未来に目を向ける。

言うは易しですが、、、

そこに治療の価値が生まれると思っています。