治療だけでは整わないときのヨガのすすめ

前回の記事ではポリヴェーガル理論という考え方を紹介して、

自律神経の「安心・活動・停止」という三つの反応モードと、

私たちの体と心のつながりについてお話ししました。

鍼や整体で体を整えても、

日常の中でまた不調が戻ってしまうことってありますよね。

自己回復力が落ちていたり、

日常生活での肉体的・精神的負担が多すぎたり

色々な理由が考えられますが、

「感じる力」が鈍っている

という理由もあるかもしれません。

今回はヨガの視点から、

体と心の回復について少し掘り下げていきます。

ヨガがもたらす安心のメカニズム

はり治療院ここからでは、

前橋院院長であるヨガ歴22年の黒沢ちあきが、

運動療法の一環としてヨガを教えています。

実はポリヴェーガル理論は、

ヨガの分野でも研究が進んでいるようです。

近年の研究では、ヨガの呼吸・動作・瞑想が自律神経に働きかけ、

体が「安全だ」と感じる神経(腹側迷走神経)を

活性化させる可能性があると報告されています。

参考文献:

腹側迷走神経が働くと、体は自然に呼吸を深め、

心拍が落ち着き、表情や声が柔らかくなります。

ヨガをしたあとに感じる穏やかさや温かさは、

単なる気分ではなく、

神経が「安心モード」になった生理的反応でもあるのです。

当院でもヨガクラスを開催していますが、

最後のシャバーアーサナ(屍のポーズ)では、

完全に安心モードで爆睡してしまうので、

よくわかります(笑)

Trauma Sensitive Yoga Netherlands の研究でも、

ヨガの継続によって内受容感覚(interoception)が高まり、

自分の体の状態やストレス反応を

より正確に察知できるようになると報告されています。

内受容感覚については、過去にブログを書いているので読んでみてください(^^)

【内受容感覚についてのブログ】

あちこち痛くてわからない…その感覚、実は‘体の錯覚’かも
観察力を養うことの重要性
五感以外にもあった“感覚センサー”

「息が浅いな」、「今、力が入っているな」と気づくこと。

それだけで体は少しずつ安心を取り戻していきます。

こうした自己感覚の回復が、自己調整(Self-Regulation)の第一歩です。

当院で大事にしているヨガの考え方

大切にしているのは「体との対話」です。

いつもお話しているのは、

アーサナ(ポーズ)を完璧にすることではなく、

挑戦しようという意思、

できないことに向き合う勇気、

そして普段気づかなかった左右差や硬さ、

柔らかさに気づくこと。

ヨガは「今の自分を感じ取るための時間」だと思っています。

体を通して心に触れることで、自然に整う力が動き出す。

それが、当院が提供するヨガの本質です。

当院のヨガはポリヴェーガル理論をベースにしているわけではありません。

けれども、ヨガの実践が体や心に及ぼすこうした働きには深く共感しています。

ヨガをやって気持ちよかった〜!と感じるのは

とても大事ですが、

こういった理論や背景を知っていると

より心にも体にも効いてきそうですね(笑)

毎月4回無料で開催しています

治療の時間というのは一日のなかでほんの一部です。

それだけではケアしきれないところを、

ヨガというツールでサポートしたいという想いで開催しています。

ヨガは治療院に通っている方はもちろん、

治療に通っていない方でも健康目的のためにご参加いただけます。

毎月4回無料で行っていますので、

ぜひご参加ください。

開催日程は毎月公式LINEでお知らせしていますので、

ご登録をお願い致します。

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