【エコー画像でみる】レントゲンで異常がないのに痛む膝の理由

やっと花粉が落ち着いてきた、はり治療院ここから本庄院の黒沢です。
先日いらした患者さん、1ヶ月前くらいから膝の前側の痛みで困っていました。
痛み始めた際に整形外科に受診され、レントゲンでは異常がないということでした。

しかし、膝にお水が貯まっているので、一度抜いて、ヒアルロン酸注射と痛み止めを処方されたとのことでした。

それから痛みがなかなか引かないということで、今回は膝をみることにしました。

膝が痛い場合、まずは膝の関節や半月板などの組織に問題がないか、炎症状態がないかなどを検査します。

整形外科を受診された後のご来院ですが、日にちもたっているので当院でも再度チェックを行います。

整形テストでは異常がみられず、膝うらの筋肉と膝のお皿の下の圧痛が強くみられました。

痛みがない側の足と比べてみても、とても痛そうです。

実は膝のお皿の周りには膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)という脂肪が存在しています。下のイラストの赤矢印の部分です。

膝のお皿の下には脂肪がついています(赤矢印)

研究ではこの脂肪体は膝の他の組織と比べて、痛みを感じ取るセンサーが豊富にあると分かっています。

膝の曲げ伸ばしをする時に、この脂肪体が膝の奥に引き込まれたり、出てきたりと円滑に動くのが正常ですが、

膝が悪い方は脂肪体の動きが悪くなっていたり、脂肪そのものが減っていることが観察できます。

また、膝の前側の痛みでも、膝うらの筋肉が硬いと正常な関節運動が出来なくなるので、

膝の前側の痛みとして出てくることも多いです。

ですので、今回の患者さんは膝うらの筋肉と膝蓋下脂肪体に鍼を刺し、

脂肪体の動きがスムースになるように動かしていきました。

すると、来院時にあった歩行痛も消失し、

正座ができなかったのが正座でも座れるようになり、喜んでいただけました。


レントゲンなどで異常がないと言われたけれど、膝の前側が痛む方は、この脂肪体を疑ってみる必要があるかもしれません。